丸の内の喧騒のただ中に、静かに息づく和の食卓
コージークモダイニングは、2020年の春に東京・丸の内新丸の内ビルディング7階に開いた和食の店です。
「雲のように柔らかく、心地よい時間」という思いを込めて名付けました。忙しい街の中で、ふと肩の力が抜ける場所。特別な日も、ただ静かに食べたい夜も、同じように迎えられる場所でありたいと考えています。
店内は自然の木を多く用い、柔らかな光が落ちるように設計しました。窓の外には丸の内のビル群が広がりますが、内側にいるうちに、その音や光は少しずつ遠のいていきます。
料理の根幹は「旬」です。市場でその朝の魚を選び、生産者から直接届く山菜や野菜を受け取り、その日の状態に合わせて献立を組み立てます。同じ料理名でも、季節の移ろいとともに味わいは変わります。
春の山菜、夏の鮎、秋の松茸、冬の寒鰆。素材が持つ本来の味を活かすために、余計な手を加えすぎない。火加減と塩加減だけで、驚くほど豊かな味わいが引き出せることがあります。
和食の要は出汁です。鰹と昆布を長く丁寧に引く。温度と時間の加減で味は大きく変わります。私たちはその日の料理に合わせて、出汁の濃さや香りを微調整しています。
おもてなしとは、気づかれる前に気づくこと。グラスが空く前に水を注ぎ、寒さを感じる前に暖かい椀を出す。押し付けがましくなく、しかし決して欠かさない。
カウンターから見える厨房。職人の手元がそのまま見えることで、料理への信頼が生まれると考えています。
掘りごたつ式の和室。仕切りを閉めれば、街の音が完全に遠のきます。家族や親しい仲間との時間に。